BREEAM既存評価の活用によるサステナビリティリスクの追跡と軽減

シニアESG戦略・報告コンサルタント兼ビジネスユニットリーダー ベンジャミン・ワトキンス著

 

投資家からの圧力や規制の変更により、資産からポートフォリオレベルまで、サステナビリティリスクを特定し追跡、軽減する必要性が継続的に高まってきています。このようなリスクをモニタリングする方法は複数ありますが、そのひとつが、第三者検証を受けたBREEAM既存評価(BIU)です。BIUでは、健康や福祉からレジリエンスまで、資産レベルの持続可能性を2つのパート(パート1:資産パフォーマンス、パート2:資産管理)に基づいて評価する総合的なアプローチが採用されています。どのようにBIUを活用してサステナビリティリスクの追跡と軽減を行うべきなのでしょうか。

 

初めになぜBIUなのか?

BIUには、サステナビリティリスクの追跡とその軽減をサポートする4つの重要な機能があります。

  1. サステナビリティに関連する90以上の指標を検討しています。前述の通り、指標は幅広い要素を含み、気候変動の回復力、居住者の健康と福祉、そしてエネルギーシステムなどの主要なリスクを含む幅広い要因が含まれています。
  2. このように広範囲な指標を用いることで、評価の結果、プロセスや手順、管理面でのギャップが明らかになり、資産パフォーマンスの最適化もサポートされます。詳細な情報を提供することは、リスクを軽減するための取り組みにおいて最優先すべきことであると言えます。
  3. この評価は資産レベルで適用できるように設計されており、すべての資産クラスに適しています。この戦略により、ポートフォリオ全体のベンチマーク評価が可能となります。リスクは資産間で比較することができ、また、ポートフォリオレベルに集約することも可能です。これは、資産からポートフォリオレベルまでのリスク管理プロセスの構築をサポートするものです。
  4. 2年前にリリースされたバージョンv6で認証された評価基準は、今後3年ごとに再認証され、リスクを軽減しながら資産と手順を最適化するためのスケジュールを提案します。さらに新システムでは、資産に対する変更をポータル上で追跡できるようになり、リスクを軽減し、継続的にパフォーマンスを向上させるためにどのような取り組みを展開できるかを理解するための対話型ツールが提供されるようになりました。

 

どのように?

買収時にサステナビリティリスクを特定することは、資産の寿命が尽きるまで追跡やリスク軽減のために重要です。したがって、サステナブル・デューデリジェンス(SDD)においてBIUの側面を確実に網羅することは、非常に重要な課題です。ロンジェビティ・パートナーズはこの必要性を認識し、SFDRやGRESB リアルエステイト開示評価などの報告に必要な幅広い指標とともにBIU指標を含むようSDD手順を適応させました。

買収段階を経て、BIU指標と測定基準を運用リスク管理プロセスに統合することが重要です。最初のステップは、ポートフォリオ全体がBIUに対して認証され、前述のポイント3で指摘したようにリスクを追跡できるようにすることです。次のステップは、BIUの主要な測定基準と指標を既存のリスク評価に統合することです。リスクの見直しを3年の頻度で行うことは、ポイント4で述べたように再認証の期間と一致します。これにより、リスクと資産の改善を継続的に監視することができるのです。

 

結論                  

持続可能なリスク管理の重要性が高まる中、BIUはリスクの特定、追跡、軽減を支援する重要なメカニズムを提供します。上記のステップにより、このようなスキームを現在のリスク管理プロセスに統合することは、当初の予想よりシンプルであるばかりでなく、手順にさらなる堅牢性をもたらすことが強調されました。ロンジェビティではBIU評価を実施し、サステナビリティリスクを低減するための資産の最適化においてお客様をサポートしてきた実績があります。

 

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