the European Commission publishes its revision proposal

Energy Performance of Buildings Directive (EPBD)

アガサ・クーン&パトリック・ロジャース

 

2021年12月15日、ヨーロッパ委員会は「建築物のエネルギー性能指令(EPBD)」の見直し案を発表しました。見直しの背景にある主な目的は、この重要な規制を2030年までにGHG排出量を50%削減するというEUの目標に整合させることです。この提案は2020年10月からのヨーロッパ委員会が策定した「革新的な波形戦略(RENOVATION WAVE STRATEGY)」を、エネルギー性能が悪い建物と新築のものに新しいエネルギー性能基準の導入することで、立法化するものです。

 

エネルギー性能の低い建物の改修

 

この提案は、最も性能の悪い建物に焦点を当て、最も費用対効果の高い改修を優先させるとともに、エネルギー不足の緩和を支援することを目的としています。

また、高性能なエネルギー効率証明書の定義と、EPC の尺度の調和を図っています。EPCの最低等級であるGは、その建物が加盟国の建物総数のうち最も性能の低い15%に含まれることを示しています。一方、EPCがAであれば、ネットゼロの建物であることを表しています。

新しい基準では、公共・非住宅用建築物は2027年までにEPC等級Fに達し、2030年までにEPC Eに強化されます。一方、すべての住宅用建築物は2030年までにEPC F、2033年までにEPC Eを達成することが義務付けられています。

また新しい指標では、加盟国に対して2025年までに「国家建物改修計画」を公表するよう求めています。これらの計画は、2050年までに建築物をネットゼロにし、2040年までに冷暖房から化石燃料を廃止するための戦略が盛り込まれています。

 

2030年までにすべての新築建造物をネットゼロへ

 

新提案では、2030年までにすべての新築建造物をネットゼロ(EPC A)にすることが求められています。技術的に可能であれば、現場でのエネルギー消費はすべて再生可能エネルギーで賄わなければならないことを意味します。

 

ヨーロッパ委員会は、新築の建物における化石燃料を使用した暖房設備の段階的廃止を優先し、2027年までに化石燃料ボイラーの設置に対する公的資金援助を一切行わないことを提案しました。EU加盟国によってガスボイラーシステムへの依存度が異なることを考慮し、EU全体で禁止するのではなく、加盟国が化石燃料の使用禁止を導入するために法的基盤を提供するものです。

 

さらに新築の建築物には、建築資材の耐用年数分析に基づく地球温暖化係数をEPCに表示することを提案しています。しかしこの提案に対する批判もあり、それらはライフサイクル排出量の制限が設定されていないことを指摘しています。建築物の耐用年数のうち、建物を使用していない段階から排出の影響があることが知られているため、近い将来、新築時の耐用年数全体の炭素排出量に上限が設けられることが予想されます。

 

ヨーロッパ委員会の提案は今後2年以内に採択されることを目指し、EUの立法手続きを経ることになります。その後加盟国は国内法への反映を求められることになります。

 

ロンジェビティの専門家は、建築物のエネルギー性能に関するEUの政策枠組みの動向を注意深く監視しています。私たちのチームは、これらの進展がお客様の業務に及ぼす具体的な影響を理解するよう、お客様をサポートすることができます。

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